こんにちは、カフェインレスです!
ぼくは今でこそ、すらすらとエクセルの関数やVBAを使って色んな仕組みを作っていますが、ぼくにももちろんエクセルで初めて効率化した事があります。
その頃は、エクセルなんてほとんど使ったことがなく、知っているのは、イコールで他のセルから数字を入れたいセルに入れられることと、
イコールと「+、ー、*、/」を組み合わせたら四則演算ができる、ということだけでした。
それでも、1つの仕組みを構築し、1つの作業につき10分以上の時間短縮になりました。
関数が使えないと効率化ツールを作れない、と思っている方も多いと思います。
けど、関数を覚えることは最短ルートではありません。まずは目の前の簡単な事をほんの少しだけエクセルを使って効率化できたら、それがエクセルのマスターに繋がります。
とは言ってもイメージできないと思いますので、ぼくの初めてのツール作成を少し回想してみました。
はじめての効率化
ぼくが初めてエクセルで簡単な仕組みを作ったのは、新卒で入った会社の見積書だ。
当時ぼくは、研修を終えて営業に配属されたばかりだった。
ぼくの会社はだいたい300人ぐらいの小さな会社で、ぼくの所属する部署の営業は15名しかいなかった。
15人で日本全国を担当するので、ぼくの担当するエリアは広く、大阪、徳島、香川、長崎、佐賀、大分の担当になった。
販売するものは、研究用の試薬で、販売先は各所の研究機関だった。
中でも売り上げが大きい大阪については、前任者は3ヶ月しか大阪を担当しておらず、その前の担当者はすでにその会社を辞めてしまっており、
新入社員にも関わらず、情報が少ない中で営業活動を行わなければならなかった。
また、前任者もその地域についてはあまり詳しくなかったので、悪い人ではなかったけれど、トンチンカンな引き継ぎも少なくなかった。
例えば、前任者がある案件ついて、「あとは見積書渡すだけでいいからー、見積書作っといたからお客さん(めっちゃ偉い人)に渡しといてー」と言って、数十万円の見積書をぼくに渡してきた。
その時、ぼくは初めて一人で営業先に行く時だった。
初の単独営業なので、すごく気合が入っていたし、緊張していた。
まず最初に、簡単そうな案件からこなそうと思い、その見積書をそのお客さんに持って行った。
「こんにちは!見積書をお持ちしましたー!よろしくお願いします^^」
この仕事について、あとは確認だけだと聞いていたので、見積書を渡し、さて、次はどこに訪問しようかなーとか考えていた。
見積書を手渡し、返答を待っていたが、見積書を見るお客さんの顔がどんどんこわばっていくのが分かった。
そして次の瞬間には、
「なんでこんな値段になるねん!過去の経緯から言っておかしいやろ!!もういっぺん作り直してこい!!!」と思いっきり怒鳴られた。
ひやっ…、と思い、「確認してきます…!!」と言って逃げるようにその部屋を出た。心臓はめっちゃドキドキだったし、変な汗が止まらなかった。
大学に入って以降、人からあんまり怒られた事もなかったので、
正直ビックリしたし、前任者の指示通りにやっただけなので意味が分からなかった。
静かな場所に移動して、へたり込みながら前任者に電話したが、前任者も「訳がわからない」と言っていた。
ぼくは、最終確認って聞いてたのに、全然最終ちゃうやん…と前任者に対してかなりイライラしたし、その日は営業せずにすぐに帰り、前任者とその件についてディスカッションするしかなかった。
こんな感じで出鼻をくじかれ、営業先の情報もなく、頼りになるはずの前任者は頼りにならず、上司もその年に上司になったばかりで、全然お客さんの情報を知らない、という、
ルート営業のはずが、お客さん情報がほとんどない、という状態で営業活動が始まった。
しかも、その時点での売上の進捗率は70%で、7月末までの目標額に対し、70%しか達成していなかった。つまり、8月以降の目標額と合わせて7月分の足りない分の売上も積み上げていかないといけない状態だった。
この状況は、「よし!この会社辞めよう!」と思わせるには十分だった。
さっそく転職サイトを見てみて、さて履歴書を書くぞ、と思ったけど、今から転職したとして、一体どこに転職できるんだろう…、結局もっと待遇が悪くなるだけじゃ…、とすぐに暗い気持ちになった。
また父親も、「3年は頑張れ!」って言ってたし、少し前に読んだリリー・フランキーの東京タワーでも、お父さんが「5年はなんとか同じ場所にいろ。」と言っていたので、
3年後に転職しよう!そして、少しでも良い転職先に移動するために、なんとしても数字を達成しよう!!と思い直した。
顧客リストだけはあったので、とにかく客先に出向きながら、客先をどんどんと覚えていった。
ぼくにとっては、ほとんど全員が知らないお客さんだったので、それまで商品を買って貰ったことがないお客さんの所にもどんどんと飛び込み営業を行った。(飛び込み営業はないって聞いてたのに)
最初は訪問にすごく緊張したが、慣れてくれば、緊張するのは最初の1、2件だけになった。1ヶ月もした頃、徐々にお客さんから、見積もりの依頼を貰えるようになってきた。
しかし、この見積書がクセモノだった。
見積書のフォーマット(形式)が製品ごとにあったのだ。
ぼくの扱っている製品はだいたい20-30種類ぐらいだったので、見積書のフォーマットを見つけるだけで一苦労だった。
そして、それらフォーマットも、計算が入っているもの、入っていないもの、
署名が入っているもの、入っていないもの、とバラバラだった。
さらに、ぼくらの会社はお客さんとの間に代理店を入れていたので、「お客さん用」の見積書の他に「代理店さん用」の見積書を作る必要もしばしばあった。もちろん、お客さん用と代理店さん用の価格は異なる。
しかし、それらのフォーマットには代理店用の箇所はなく、その都度、代理店さん用の欄を追加して、形式を整えていた。一つの見積書を作るのに、30分以上も掛かっていた。
お客さんや代理店さんから案件を貰って、事務所に帰って見積書を1件あたり30分掛けて作って、それを返す。それだけで毎日21時頃になっていた。
ぼくはこの見積書を作る作業が本当にバカらしくなってきて、なぜ製品ごとにフォーマットが別れているのか、それぞれの担当者に聞いてみたが、見栄えがいいから、以上の回答は得られず、マジでこの会社大丈夫かな、、、はよ転職せな、と強く思った。
でもフォーマットが各担当者が勝手に作ったものなら、いっそのこと自分でフォーマット作ってしまえば良いんじゃないか、と思い、実際に作ってみた。
作ってみたのは下記のような簡易の見積書だった。
入力用シートと顧客用見積書、代理店用見積書は別のシートに作った。
使ったのは、入力シートに四則演算を入れたのと、参照(=を使って数値や文字を別のセルに表示させること)のみだった。
いきなり入力用シートと2種の見積書を分けたわけのではなく、何回か使っていると、どうしてもどこのセルに計算式が入っていて、どこのセルに入っていないのかが分からなくなってくるので、色々と調べてこういう形にした。
すごく簡易な見積書だったが、効果は抜群で、
それまでは、適切なフォーマットを探し、そのフォーマットの記載内容を確認、計算式が入っているかどうかを確認しながら入力し、入力が終わった後に全ての数字が入っているか確認してから、お客さん用の見積書を印刷し、その後、代理店さん用に仕切り(代理店さん用の価格)を入力し直してから、数字が合っているか確認してから印刷。工数も多く、確認事項も多く、見積書を作るだけで、本当に一苦労で、30分以上掛かることもザラ。。。
だったのが、フォーマットはこの1種なので、探す必要なし。入力用シートに上から順番に入力していき、終わったらお客さん用と代理店さん用それぞれを印刷して終了。と、5分以内に見積書を完成させる事ができるようになった。
見積書を作る事に手間が掛からなくなったため、仕事もすごく早くなったし、見積書作って、と言われたら素直に嬉しくなったし、すぐに回答もできた。こちらから提案できる案件も増えた。
その後、ぼくは仕事が早いということで、代理店さんの協力が得られるようになり、1年目にしてトップクラスの売上を出し、2年目は遅くても14時までには仕事が終わるけど、圧倒的な数字を出せるようになった。
ただ、営業から転職しても営業にしかなれなかったので、社内異動で営業販促部へ異動し、そこでさらなる業務効率化とマーケティングを実践することになった。
エクセルをマスターするのに一番大事なことは関数を勉強することじゃなかった
見積書ツールを作ったとき、ぼくは関数は使えませんでした。
「合計」もsum関数を使わずに、全部「+」を使いました。
それでも大幅な時間短縮が出来ましたし、また、見積書を作る心理的ハードルも低くなりました。
エクセルや業務の効率化の話をすると、ほとんどの人が本を買って勉強しよう!と頑張っています。
勉強することはすごく大切だし、大事だし、素晴らしいと思います。けど、しばらく使わないと結局忘れちゃうんですよね。。。
なので、本で勉強するのではなく、実際に目の前の事象に、うんうん頭を悩ませながらツールを作って、この関数でもない、この関数でもない、と頑張って、少しだけでも実際に時間短縮ができたら、その時使った関数の事は全く忘れないし、それを繰り返していくと、エクセルマスターになれます。
実際、エクセルの中級者以上の7割は、その方法で、本で勉強し、エクセルを使いこなせるようになった人は3%でした。
エクセル中級者の勉強法はたった2種類だった。
けど、関数も分からないのにどうやってツールを作るの?と思われたかもしれません。
その記事も作成しますので、楽しみにしておいて下さい。
ではまた!